忘れたい。~But it is unforgettable.~





ガラガラ


やっぱり誰もいない。


少し、ここで休んでからいこ。


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キーンコーンカーンコーン


「ふわあぁ、よく寝た…」


今のチャイムは五時間目の終わりを告げるチャイムやな。


起きても、やっぱり悲しみは少しを引いてくれん。


うちには、要だけやったのに。


ガラガラー


いきなり、ドアが開いた。


図書室のドアが開くなんて滅多にない。


一体、誰なんやろうか…。


「りーん!!」


「…なんや、梨央か…」


「なによ、その言い方ー」


田中 梨央(タナカ リオ)


うちの友達。


高校入学する時に東京から引っ越してきたみたいや。


だから、言葉も標準語。


そして、めっさオシャレな女の子。


オシャレのためなら、校則を破る時もある。


「なんで梨央がおんの?」


うちが不思議なのは、梨央がなぜあまり人に知られていない図書室におるか、だ。


梨央は重たい口を開いた。



「…凛は気づいてないと思うけど…。度々、凛がここに入っていくの、みてたんだよ?それもいつも元気のない時にね。」


まじか…。


「なんかあったの?」


「別になんもないよ!!ただ、授業サボりたくなってな!!」


「…違う。」


「ん?」


「違うでしょ?だって、サボるならいつもあたしを誘うじゃん?嘘ついても、あたしが見破るんだから、本当のこと言いな?」


梨央にはなんも隠せないな…。


こんなあたしを、梨央は軽蔑しないやろうか。


浮気されて捨てられたこんなあたしを、


果たして梨央は嫌いにならないやろうか…。