「凛…」


「要先輩〜、凛先輩、もう行ったんですか〜?」


下駄箱の陰に隠れていた胡桃が小走りででてきた。


「…まあな。」


「凛先輩とは、もう別れたんですよね?」


セーターから少しだけでる手で俺の服の裾を引っ張る。


「…今別れたよ。」


「そうなんですかぁ!じゃあ、あたし達は正式に彼カノなんですね!めっさ嬉しいー!」



上目遣いで俺を見る胡桃。


ぱっちり二重の大きな目。


くるんくるんのまつ毛。


透き通る肌。


ふっくらな唇。


自然にできるえくぼ。


胡桃に落ちない男はいないやろう。