郁の声のトーンが変わる。





「どうしたの? 郁」




「あれ、……朱鳥くんだよね?」





 えっ!?





 郁が指差す方を見て



 固まった。



 あっ……





「マジでヤバくない?」



「……」





 ウソ……。





 ショッピング・モールを歩く

 背の高い

 高等部の制服を着た男の子。



 間違いなく

 朱鳥くんだ。





「……」





 でも…――