「……」





 あたしは気まずく

 教科書を持って固まった。






「46ページ、46!!」





 小声で斜め後ろから

 助け船が出る。



 あわてて

 ページをめくって

 読みはじめようとした時。





 同時にチャイムが鳴り出した。





 あっ……





 天国からの鐘かと思った。





「――…じゃあ今日はここまで!」





 号令がかかり

 そのまま先生が出て行く。





 ふ〜、助かったぁ!!





 あたしはその場に座り込み

 息をついた。





「真帆、どうしちゃったの?」