・ ・ ・ そして、土曜日当日。 待ち合わせ場所となった駅前で白い息を吐きながら、俺はそわそわと落ち着かなくまひろちゃんを待っていた。 約束の時間の15分前は早すぎたかな……。 スマホで時間を確認しようとポケットに手を突っ込んだとき。 「涼くーん!」 明るい声が俺を呼んで、振り返れば。 ぶんぶん手を振りながら走って来るまひろちゃん。 俺のそばまでノーブレーキで駆け寄って来て、すこし荒くなった息を整えないまましゃべりだす。