電車に揺られながら昨日のことをぼんやり思い出していた。
山上くんに告白されて…付き合うことになったらしい。

そんなことを考えているといつの間にか電車は目的の駅までついていた。

「おはよー川上!」

なんということでしょう。駅の改札を抜けるとすぐそこに山上くんの姿があるではないでしょうか。

「す、ストーカー?な、なんでここに!?」

私は、山上くんから一歩でも離れようと後ずさりした。

「ストーカーじゃねーよ。一緒に行こうと思って、待ってた〜」

ささ、行こうぜ。そんなことを言って川上くんは私の先を歩く。

「そういえばさ、俺ら付き合ってるのに連絡先知らないよな」

そうでした。私たちは昨日から付き合っている!ちょっと忘れてた。

「おい、忘れてたって顔してんなよな」

バレてる。

そんなことはどうでもよくて。私たちは付き合っているのに、お互いの連絡先を知らないのである。うん、この話さっき山上くんがしてたね。

「あ、SNSでもいいかな?」

私が某有名SNSの自分のアカウントを見せる。

「なんで、付き合ってるのにSNSを介してやり取りしなきゃなんねーの?!普通にアドレスおしえてほいんですけど」

私は、はいっと自分のスマホを差し出した。

ん?と山上くんは怪訝そうな顔をしている。