「まぁ、なんだ、とりあえず軽く付き合っとく?」

窓の外から野球部の掛け声が聞こえる。
放課後、一人で残っていた私にこの山上達也は急に話しかけてきたかと思えば、付き合うかどうかなんてことを聞いてきた。

「は?バカじゃないの?」

きっとこれはドッキリ。クラスの誰かが教室の外で待機してたりするんでしょう。騙されるほど私も馬鹿じゃない。

「いやいやいや。大真面目だからね。俺、川上のこと結構好きなんですけど。」

相変わらず、グラウンドでは野球部の掛け声が聞こえてきて、もうすぐ夏の試合が近いのかなーなんてことを連想させた。

山上くんはクラスのムードメーカーてやつで、まぁ顔も悪くない。というか、私も山上くんが好き!なんて女の子は結構いて、きっと彼はイケメンなんだと思う。

もちろん私のタイプではないが。それでもイケメンだとは思う。