ゆっくりと離れた唇で翔は言った。







『涙の味がする。』







そう言ってまた私のことを抱き締めた。







おっきくて、温かい翔の体。






悠みたいに大きな手で頭を包まれると、何だか居心地が良かった。






悠に抱き締められた時よりずっとずっと。







翔の声と悠の声が重なる。







何だか悠に抱き締められてる気がしてすごく胸が熱くなった。







『兄貴、彼女いたんだね。』






翔が呟いた。