泣いてるのに空元気だして嘘ついたから、そんな女、嫌に決まってる。







私はまた涙をぬぐった。むなしくて悔しくて悲しくて涙が止まらない。








その時だった。






『かな。』








後ろから聞きなれた優しい声が聞こえた。









「しょ…う…?な…んで……?」








私は振り返らず尋ねた。こんな顔、みせられないもん。









『だってかな、泣いてたから。


ラーメン屋のおっちゃんの声したから河原まで走ってきた。』







翔が耳、いいだろ?って笑った。