「…朝からそこはかとない疲労を感じているのだけど。」

今は登校中。
毎朝遙人と登校している。
変態のくせにモテる遙人と登校するのは、少し恥ずかしくもあり誇らしくもある。

「お前がちゃんと起きていれば感じずに済んだ疲労感だぜ?」

知ってるよそんなこと。
でも、寝坊は実はわざとしてたりするんだよね。
遙人とお母さんには申し訳ないけど。
…遙人の「おはよう」で目が覚めるの、夫婦みたいで好きだから。

…しかし、暑いからって下着で寝てたことを忘れていた自分、お前は死ね。

でも、私が寝坊する度に、ちゃんと起こしに来てくれる遙人は優しいと思う。
そんなところが好きなんだよな…。

「あの…さ。」

「何だよ?」

「…ありがと。」

心なしか顔が熱くなってしまった。
本当は、「わざと寝坊したりしてごめんなさい」も言うべきなのだろうけど、そんなこと言ったら告白せざるをえなくなる。から言えない。

「お、おう…別に、俺だって嫌じゃねぇし…」

「ん?なんか言った?」

「…いんや、何も言ってない。そういや、お仕置きがまだだったな!どうしようかな~。」

ちっ。ごまかされた。
しかしお仕置きは阻止しなくては。
されたいけどね!
まだ私たち付き合ってるわけじゃないし、そういうのはね!

「変態!」

「は?なにお前。もしかして、お仕置きっていやらしいことだと思ったの?」

し ま  っ た 。

「恥ずかしいな~。どこでそんな知識仕入れてんだよ~。まさか、ちょっとされたいとか思ってたり?w」

「………………こッの」

真っ赤な顔に涙を浮かべながら叫ぶ。

「ド変態!」