雅弘といつもの海へ向かう。 風が頬に突き刺さるように冷たかった。 波の引いては寄せる音だけが、耳に届く。 『ねぇ、美穂…』 不意に手を引かれ雅弘の胸にもたれかかった。 ぎゅっと抱きしめられた。 男にしては華奢な胸板に抱きしめられ、私はそっと腰に手を回す。 なぜいきなりそんな事をしたか不思議に思ったが雅弘の胸が心地よくそのまま体を預けた。