母は、世間体を気にする人だ。 その為、病院は少し離れた所に連れていかれた。 出来たばかりの新しい病院。 お腹の大きな女性達。 壁にはおめでとうと言う言葉と赤ちゃんの写真ばかり… あぁ、私は場違いだ… 問診表を渡される。 「中絶」という所に丸をつける。 改めて現実なんだと思い知らされる。 人事じゃなく、自分自身に起きている事。 私は、予想外に冷静だった。 感情のない、人形のようだった…