だんだん薄暗さに目も慣れてきて、雅弘を確認できた。 シーンと静まり返った空間。 私からは何を話しかけたらいいかわからなかった。 『ねぇ、こっち向いてよ。』 雅弘は俯き加減の私にそう言った。 私はくるりと向きを変え、狭い浴槽の中お互い向かい合う形になった。 恥ずかしくて、顔を上げられずにいた私。