事件は次の日の朝に起こった。

7:00、私はまだ寝ていた。
その時だ。

カサッ...ドンッ!!......ガラガラガラガラ


な、なに?!
私は飛び起きた。窓の開く音。
視界の右にある何かの影が動く。

何かの影、というが、見なくてもわかる。
このシルエットは...

「永遠ーっ!!」

「お、美音起きたか!おはよ!」

「おはよ。
.........ってちがーう!」

「なんだ!騒がしいなぁ(笑)」

なんでなんでなんでなんで?!

「なんでって昔からだよ?(笑)」

まだ口に出してないしっ!


そう、その通り。
小さい頃から永遠はベランダの壁を跨いで
窓から私の部屋に入ってくる。
でも中2中3のとき、お互い年頃だったからか、
あんまり話さなくなって、部屋にも来なくなってたから、まさかまた窓から入ってくるなんて思っていなかった。

それに、私達もう高校生だよ?!

「...おーい。美音!」

「わっ!はいっ」

「まだ寝ぼけてんのか?(笑) 学校行くぞー」

えっ一緒に?!

「一緒に行くだろ?同じ高校なんだし...」





ーーーーー。

そして今に至る。
もう前には学校が見えるんだけど...。
横の永遠はなんだか機嫌が良い。

あ、そういえば永遠は何組なんだろう。
私は合格発表後の制服採寸の日、
新入生全員の一覧でクラスが発表された。
私は四組。永遠は編入学だから、
違うときに発表されているはずだけど。
昨日は教室にすら入ってないし、
私は知らないんだ。

「永遠は何組なの?」

「四組だよー。」

「えっ一緒じゃん!」

「そそそ。」


なんだか嬉しいなぁ。
口元が緩む。


私はそれが永遠にバレないように
下を向いて隠した。