風がふく。
花びらが舞う。

「なんで......?」

入学式当日。
立ち尽くす美音の前にはなつかしい顔。

「なんで永遠がここに...」

「久しぶりだな、美音。」


永遠(とわ)は私、美音(みおん)の幼なじみ。
幼稚園も小学校も中学校も一緒に通ってきた。
でも中3の冬。
永遠は卒業と同時にアメリカに引っ越しが
決まった。
それを聞いたときは寂しくって部屋で一人
泣いたっけ。

「永遠、アメリカに行っちゃったんじゃ...」

「あぁ。俺だけ残ることにしたんだ!」

「え...?!」

残ることにしたってなに?!

「なんで...?なんで残ることにしたの?」

「行って欲しかったか...?」

「そんなわけ...」

「ぶはっ」

永遠が突然笑い出した。そして言った。

「んなわけねーよな!
美音は俺がいないとなーんにもできない
もんな!ははっ」

「ちょ......。あんたねぇ...!!」

「うわっ美音が怒った!逃げろー!!!」

「待ちなさーい!!」

私達は昔からこうだった。
まさか高校生になってまで同じ事してるとは。
それに...

「何ニヤニヤしてるのかな?美音ちゃん。
そーかそーか...
そんなに俺といれるのが嬉しいのか! 」

「ーーっ!!永遠ー!」

今絶対顔赤い。バレてなかったかな...

まさに永遠の言うとおり。
とうとう離れちゃうんだって思ってたから
また一緒にいれるなんて...本当に嬉しい。



「捕まえた....!!!もーほんとに!永遠は...」


風がふく。
スカートが揺れる。髪が揺れる。




「......永遠おかえりっ」


「...ただいま。」


そう言った永遠の顔。

少しだけ赤くなってる気がした。