電車は急カーブを曲がってガ、クンと車体が斜めになる。それに連れて満員電車の中の人々も揺られるわけで。私たちも例外なく皆と一緒によろけた。


 周りの乗客は見て見ぬふりをする。

 その刹那、何が起きたのかわかんなかったし。



 彼と私の距離は0cm。



 唇と唇が重なってた。