「ブププ! 由比子に寄ってくるオトコって甘えん坊のカワイコ年下くんばっかりでしょ」
「は、はあ?!」
「そのツンツンが原因だと思うよ」
チーンといつもの音が鳴ると扉が開き、さっさと降りる彼。なんだか怒りが沸々と……湧いてきてますけど? なんでたかだかお隣さんのアンタにそんなこと言われなきゃなんないかな! 私のこの怒りはそのことに対してかな、それとも的を射た言葉だったからか、少し頬が引き攣る。
「ほら、降りないと」また、いつの日かみたいに私は降ろされた。
「じゃあ……おやすみなさい」
少しの怒りをひた隠しながら私は自分の部屋に帰った。
「はーい、おやすみ」と言って彼も手を振ってから部屋に入った。
私の両手には意外と荷物になったお鍋の材料と安かったアボガド。夕方以降に行くと意外とあんのよ、安い食材が。そういうのって独身女にとってありがたい。アボガドさん、普段なら100円ぐらいだけど今日は57円だった。だから結構たくさん買った。
その買い物袋が……ド・ア・に! 挟まった! 引っ張っても抜けない!
ええーい! 出てこい、買い物袋!



