ピンクのブラジャー! ぶ・ら・じゃー……だよ! 可愛らしいリボンが胸元についたブラジャー片手にそこにいるってことは!
「し、下着ドロ……」
一瞬にして青ざめた私は勢いよく窓を閉めようとした。
「あっ……待っ……!」
「ひっ……!」
閉まる窓に手を出した小宮さんの指が窓に挟まった。彼は挟まれたまま顔を顰めて辛そうだ。どうしていいかわからない私は包丁を持ったまま泣きそうになる。
そこで彼が「下着ドロじゃないですよ。説明しますから開けてもらえませんか」という。
そう言われても嘘かもしれないし、だからといって彼の指を挟めたまま鍵を締めることはできない。彼に開けろ、と言われても動けないままでいたら彼がそっともう片方の手で窓を開けて挟まれた指を抜いた。
……どうかこのまま立ち去って……



