にゃんこ男子は鉄壁を崩す



 それから休憩が済むと常連客のオバサマ連中が何人かがガーデニング用の飾りや雑貨を買っていった。まあ、もう秋も終わりに近づけば売上もこんなもんだ。




 あとはクリスマスに向けて飾り付の準備をしなきゃ。クリスマスシーズンになるとオバサマ連中が中心だったのが若いお客さんが中心になる。庭に設けられるクリスマスの電球による装飾をカップルたちが見物にやってくるのだ。




 クリスマスの飾り付は雑誌でもうちの店が紹介されたことがある。だからクリスマスが終わるまではバイトを雇い、頑張って夜8時まで営業。あずちゃんと二人、クリスマスの装飾の下準備を少し進めて「あずちゃん、今日はもう終わろうか」と言った。




「うん。由比子ちゃん、久しぶりに飲みに行こっか」



「ああー……めっちゃ行きたいけど残念ながらお部屋の片付け全く終わってないの」




 ホントに残念だよ、あずちゃん。こんな疲れた日には飲みに行きたいのだけど、家の中はまだまだダンボールが山積みになってる。せめて洋服とか鍋類は少し整理したい。ああ、何故、あの時、漫画を読んでしまったのか。




「そうなんだー? どうせ漫画でも読みふけって片付けしなかったんでしょー」




 あずちゃんはなんでも私のことをお見通しらしい。エスパーなんじゃないだろうか、と常々思うんだけど。



「なんでわかんの、あずちゃん。さては君、相当私のことが好きだね?」




「ふふ、そうかもね。さ、もう出よう」


 私の言葉は軽くあしらわれて私たちは店を閉めた。


「ハイハイ」