余程気に入ったのか、2種類のピアスを何度も交互に耳にあてては両方を比べて悩み始めた。
「お客様。大変、お待たせしました。……そちらの商品もお悩みですか」
「あ、すみませんッ! えへッ! もう一個! いいですか!」
彼女の意外に元気な声とペロと出した舌に思わず私からも笑みが溢れる。
「勿論! お買い上げありがとうございます」
彼女がカウンターに持ってきた商品は立体的な耳が緑の象に半月がついたゴールドのピアス。これも一点モノで私とあずちゃんが気に入って仕入れたモノだ。一点モノだけど似たようなデザインで耳が赤、半月が太陽のものもある。
それはどうしても欲しくて私がいち早く買ってしまった。



