なんて考えているうちに私が降りる駅に着いた。勿論、ミィコも。ミィコは私に気づいていないからどんどん先へ歩いて行ってしまった。あ、違うって。一緒に帰るとか、考えてないって。
もう見えなくなったミィコの茶色い髪。ホームに降りてその姿をつい探してしまったけどやっぱりもういなかった。気を取り直して私も改札口へ向かう。
外はまた雪が降り始めている。また積もり始めたばかりの真っ白な道路には靴の足跡が続いている。このどれかの靴の足跡はおそらくミィコの。きっと彼もこの道を歩いたのだろう、と考えながら自分が住むマンションに私も向かった。
マンションのエントランスを抜けてエレベーターに向かうと扉が開いたり、閉まったり。閉まることができないエレベーター。だってその入口に倒れている人がいたから。
おそるおそるその人物に近づくとやっぱり服装の感じからしてミィコだった。顔は真っ赤で息も荒い。酔いつぶれたとかではないらしい。具合、悪いんだ。
「死んでんの」
ほっぺをツンツン、とするとミィコはうっすら目を開けて私を見た。
「………………生きて、る」
おお、起きた、ミィコ。
しかし、辛そうだな。



