暫くして隣のミィコの家の玄関の開閉の音が聞こえた。私の部屋の前で止まることなく足音は通り過ぎてく。


 少し、寂しさを感じた。ずっと独身生活を満喫してきたけれど。こういうのは久しぶりで。勿論、彼氏がいたことはある。

 だけど、ここ何年かはぱったりで。オトコに対する条件がハイレベルすぎるのかなぁ。いや、人並みだと思うけど。だけど、この鉄壁が災いしてるのはわかってる。でも、そう簡単に鉄壁を壊してくれる人も飛び越えてくれる人も現れなかった。


 でも、ミィコは。少しだけ穴が開いたところから徐々にトンカチでコツコツとヒビを入れ、時には大胆に鉄壁を壊していつしか私のテリトリーに自分の領地のようにふんぞり返ってる。

 それでも、憎めないんだ、あの笑顔やちょっとした優しさを感じると。それは彼の手なのかもしれないけど。

 もし、そうだとしたら、私はいとも簡単にひっかかってしまったのかな。

 こんなに寂しさを感じるのはぎっくり腰のせい? それともミィコのせい?