「ちょっとナニコレ」
「え、何って…、遅刻ヤでしょ?間に合う様に?」
そう言って春斗は速度を早めた。
そう、春斗はあろうことか私をお姫様抱っこしながら走っているのだ。
「やめなさいよ!!あんた、誤解うむわよ!?」
「いーよいーよ、どーせ灯じゃん?」
そう言ってまた春斗はケラケラ笑った。
その笑い方すごい腹立つ…。
なんて思ったが、春斗は足が速いし、何より誤解されたって幼馴染みのよしみでいいと思うことにした。
「ほらほら急ぎなさーい!遅刻がかかってるのよー!!」
なんて拳を掲げて叫ぶ私と
「うっせ!お前重すぎ!何キロだよデブが!」
そう腹立つことを抜かしながらも足は急ぐ春斗。
