「んー…、十年近く前だなー…。なっつかしーなぁ、本当。あの頃は若かったなぁ」


そう言って旦那は自分の卒業アルバムを手にした。


しばらく捲り旦那は手を止めた。

「おおおお……、俺の髪が茶色い!キモい……」

旦那は普段より更にしかめっ面になりながら呟いた。



「ま、私は今より若い以外の変化は無いわねー」



私はそう言いながら莉華の覗く卒業アルバムに目を落とした。