足音が聞こえなくなって、あたしはようやく目を開けた。 暗かった。 あたしも、彼も分かってた。 あたしが悪いわけでもなく、凌が悪いわけでもない。 原因はない。 ただそうゆう時期だった。 あたし達が別れを口にしなければいけない時期だった。 あたしはまだ彼を好きで、彼もまた、まだあたしのことが好きだ。 別れたくなかった。 けれど別れるべきだった。 彼と過ごした時間は幸せすぎた。