――チャイムが鳴っても、みんな帰ってこなかった。

たった一人、ただ一人の教室。

静けさが、心をさらに引き裂く。


―ガラガラ

心配そうな顔をした国語の先生が入って来た。

「どうしたの!?」

『…みん…ん…な…』

「ちょっと待ってなさい…!」

―ガラッッッ

先生は慌てて走って帰っていった。


しばらくすると、廊下を走る音が聞こえた。

先生かな…


―ガラッッッッッ   ドンッッッ!!

すごい勢いでドアが開いた。


顔をあげると、真っ暗になった。


『痛い…ぃぃ…』

「あ、ごめん…」

ゆっくりと見えた流麻先輩の顔。


『えっ?先輩…』

「なんかお前らの先生が走ってたからさ、なんかあったのかなって思って…
んで、走ってきたら、厚知以外のこのクラスのやつらが遊んでたからさ…。」


分かってた事だけど、私以外って聞いて、仲間はずれにされたんだって実感がわいてきて、涙がこみ上げてきた。

その涙を流麻先輩は温かい親指でゆっくりと拭いた。


「泣くな…俺のせいだからさ…ごめんな。。」


『違う…』


先輩は私の唇をふさいだ。。










「もう何も言うな…」