「あらあら、まだ起きたらダメよ!

 気分はどう?

 お腹空いたでしょう? すぐに用意させるわ」



 恰幅のいい女性が、ベッドをぐるりと覆うカーテンを開け、ニッコリ微笑んだ。


 私は咄嗟にシーツをかき集め、背もたれに逃げる。



「大丈夫よ。何もしないわ」



 そんな私に一歩近づき、優しい笑みで語りかけるけど……


 その姿を見る限り、安心出来ない。



「ナタル、食事の用意をしてちょうだい。

 それと、王子を…」



 もう一人いるらしい誰かに話しかけながら、ベッドから離れていった。


 ……けど、体は緊張したまま。



 ここはどこ……?