「あなたこんな場所で寝てたの?!」



 金色の髪をアップにし、紫の瞳をキラキラ光らせたママが、なぜか怒ってる。


 私は寝ている間に落としてしまった本を拾い、ママに笑いかけた。



「あまりに気持ちよくて眠っちゃったわ」


 その言葉に、呆れたように私を見る。



「カインが庭にあなたがいるって言ったけど……まさか眠っていたなんて」


 大きく溜息を吐いて、本当に呆れてる。


 その姿に、


「ママ、でもこんないいお天気なのよ? 外に出ないと勿体ないわ」


 言いながら、その場から歩き出した。



「年頃のレディーが庭でうたた寝するなんて…!

 お祖母ちゃまに知られたら大変よ?」


 ママはそう言って私の後ろからついて来る。