* 竜の眠る国 *






 ――バレた…!




 慌てる私をよそに、王子の表情は変わらず、姫と呼ぶ彼女の腰に手をやった。


 ハラハラしているのは、私と周りの兵だけ。




「巫女姫、このような場所にいつまでもいらしては危険です」

「愛しいあなた……シェリナとお呼び下さい。

 わたくしは銀の竜、貴方の物」



 うっとりと王子を見つめた彼女は、王子の首に手を回すと、その唇を王子へと向けた。




 ――な、に? これ…!



 王子は顔色一つ変えず、彼女のキスを受け入れた。



「シオン様…」

「シェリナ姫、私はこの娘を城へ連れていかねばなりません。

 また改めて…」




 そんな甘い言葉を掛け合う二人から目を逸らし、私は背を向け歩き出した―――。