* 竜の眠る国 *






「―――シオン様…!

 私の王子!」




 私に伸ばした手は、届く前に、別の誰かに掴まれた。

 と、いうか。 体当たりに近い状態で、私も同時によろける。



「巫女姫…」

「シオン様!
 お会いしとうございました…!

 こちらにいらっしゃったなら、もっと早く知らせて下されば良かったのに」


「申し訳ありません」



 王子は表情一つ変えず、掴まれた手に、そっとキスを落とした。


 途端に、姫と呼ばれた女の子は顔を赤らめ狼狽える。



「い、いえ…!

 お仕事でしたなら仕方ありませんわ…っ」



 まくし立てるように騒いでいた彼女はその一瞬で大人しくなり……


 そのまま、すぐ横にいた私に気づいた。