鳥の鳴き声、風の音。 ゆっくり瞳を開くと――― 「……あ、れ…?」 真っ青な空が広がっていた。 夢を見ていたはずなんだけど……どんな夢だったっけ…? 目を開く瞬間まで見ていた夢。 なのに、今はすでに忘れてしまった。 体を起こすと、庭のベンチで本を読みながら眠ってしまったらしい。 堅い木のベンチで眠ったせいか、体のあちこちが痛い。 「ん…っ」 体をゆっくり伸ばす。 「ユウナ!」 その呼び声に、目を向けた。 .