* 竜の眠る国 *







“王子よ……そなたを妾は知っている。

 しばしやっかいになると、王に伝えよ”



 ――…そうだわ。この人、王子様だった。


 さっきの彼とのやり取りに、少しだけだけど、反省した。



「聖竜と言うの? あなたは」


 見上げた私に、竜は目を細めた。



“……金と紫の娘よ。
 わたしの名は、ガルーダ。

 水を守護する聖竜だ……”



「……ガルーダ…」


“……何かあったら いつでも訪ねなさい。

 そなたの頼みならば、力になろう”



 ―――そ、んなの……



「ふふっ……ありがとう。

 それなら――…私を、元の世界に帰せる…?」



 私の頼みに、ガルーダは黙ってしまった。