* 竜の眠る国 *





 彼は涙を零す私から目を背け、


「……本当に彼女がアナタの主なのか?」


 頭上の何かに語りかけた。



 私も、その目線を辿ると―――…



 な…っ


「な、に……これ、は……」




 言葉にならない。


 目の前の“それ”をなんと呼べばいいのか、私には全く分からなかった。




「君はこの竜を知ってるのか?」



 彼は驚くことなくその大きな蛇を指差した。



「し、知らないわっ」


 首をぶんぶん振り彼に伝える。



 竜じゃなくて、どう考えても蛇でしょっ!