* 竜の眠る国 *





「バカって…!」

「何度でも言ってやる!

 君は大バカだ!

 あの湖は生き物が生きていけないと言ったはずだ!
 そんな危険な場所に何度も入るようなバカは君くらいだ!」




 彼の怒鳴り声が森に響く中、遠巻きに見ている兵士たちは、何故か唖然としている。



 バカと何度も言われ涙が出そうになるのを必死に堪えていると――


「……あなた…!」

「おい!王子に何をする!」

「放して!彼は怪我をしてるわ!」

「えっ」


「……大丈夫だ。大した傷じゃない」


「もしかして……私を引き上げた時に…?」

「ただのかすり傷だ」



 彼は何ともないように言うけど―――


「ご、めんなさ…」


 血の量を見る限り、傷は深そう。