* 竜の眠る国 *





「え…っ 無理よ!

 化け物だってまだいるかもしれないし、入った人間は生きていけないって…」



 鳥は湖に入れと言ってる。


 確かに、逃げ道は目の前の湖しかないけど……

 さっきの彼の話を聞く限り、湖に入ることは重罪って事で―――


 これ以上罪を重ねるのはダメでしょ!?




 立ち止まる私に、鳥は一際高い声をあげた。




「もう…っ 分かったから…!」



 草木をかき分ける音と人の声が近づく。

 一瞬、躊躇したけど、覚悟を決め湖に足を入れた。




「――おい!」



 彼が慌てて止める。けれど、私はそのまま足を進めた。