* 竜の眠る国 *





「他のみんなは?」


チチチ…チ…チチチ…チチ


「……そう。良かったわ無事で!

 それで、私の服なんだけど…」



 一番聞きたいことを小声で話すと、鳥は一声あげ飛び立った。


 その様子を見ていた彼は、厳しい表情で口を開く。



「君は、巫女か何かか?

 君の服装を見た事が無い。……どこの国から来たんだ?」


 彼は言って、一歩、近付いた。


 私は慌てて後ずさる。


「答えられないか。

 我が国の聖なる湖で、何をしていた?」



 冷静な彼の声と共に、頭上から何かが落ちてきた。

 相手がその何かに気を取られてるうちに、私は走り出した。