「あれは…」
彼が気づく前に、私は手を高く伸ばした。
すると、青い鳥が私の指に止まり、挨拶をするように私の肩に移動して頬にすり寄った。
「良かった!
無事だったのね?」
「その鳥は君のか?」
「違うわ。
森で迷っていた私を湖まで案内してくれた友達よ。
あの化け物に襲われたのかと思ったわ!みんなも無事?」
嬉しさのあまり頬を寄せる私に、質問に答えるように鳥は頭を上下に振った。
「……君はこの鳥と話せるのか?」
彼は驚いたように目を見開く。
私はそんな彼を見て、
「完全に分かる訳じゃないけど……何となく、分かるの」
私の言葉を聞いた彼は、青い鳥と私を交互に見て黙った。
そんな彼に構わず私は鳥と会話を始めた。
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