竜はバランスを崩し、見えなくなってしまった。


 涙が出るのを必死に堪える私は、風に飛ばされながら上昇し続ける。



 ―――落ちたら死んじゃうわ……



 真下に見えるのは、先ほどまでいた城と、森。

 それらが小さく見える。



『竜さん…』


 先ほど助けてくれようとした竜を思い出し、涙が零れた。



 どうか、無事で―――…



 ポロポロ溢れる涙は、結晶になり私の廻りを飛んだ。

 結晶の光がだんだん強くなり、キラキラ眩しくて、とっさに目を瞑る。


 瞬間―――落ちていく……




『きゃぁぁぁぁぁぁぁ!』