「吸って……吐いて――」 頭上からの声に従うと、だんだん呼吸が楽になってきた。 「すぅ………はぁぁぁぁぁ…………」 「もう大丈夫だ」 声に、疑問に思った。 この人……誰…? ゆっくり顔を上げると、 「大丈夫か?」 横たわる私の目の前に、顔をのぞき込む男の人がいた。 その瞳の色に、目を見開く私を真っ直ぐ見る彼。 「わ、私…」 「水音がして来てみたら、君が溺れていた」 .