* 竜の眠る国 *







 光り輝く苔の絨毯をゆっくり進んでいく。と…


「この音……もしかして」



 チョロチョロと、水の流れる音に気付いた。





 音を辿っていくと、幅2メートル程の小さな川が流れていた。


 見つけた途端、走り寄る。




「冷た!」



 ……思っていたより喉が渇いていたらしい私は、透き通る水を両手にすくい上げ、勢い良くゴクゴク飲んだ。

 そして、バシャバシャと顔を洗った。




 ――よし!


 来た道を戻るか、そのまま突き進むか……どちらにするか、決めなくちゃ。




 冷たい水で顔を洗ったおかげで、少し頭が冴えてきた。

 今しなければならない事を、考えなくちゃいけない。