『私の名は……ユウナ』 瞳を見つめたまま小さく答えると、竜は頭を少し下げ、翼を閉じた。 “ユウナ……そなたに私の名を授けよう” 低く響く、その声。 私の答えを待たず、竜は続けた。 “我が名は――――” 『……えっ…?』 続きが、聞こえない。 風は渦を巻き私の周りを駆け抜ける。 『……っ だめ…!何を言ってるか分からないわ!』 竜の声がかき消される。 風は柔らかく吹くくせに、力強くて飛ばされそう―――… .