竜は身動きせず私を見つめる。 吸い込まれそうなブルーの瞳。 ずっと目をそらすことなく見つめていると、頭に低い声が響いた。 “そなたは誰ぞ…” 頭に響くこの声は―――誰? もしかして……竜の声…? 気付いて、目を見開いた。 “私は、この国の守護竜。 そなたの名は―――” その大きな翼を、ゆっくり広げる。 広げた翼のあまりの大きさに、言葉を失った。 口を開くこと無い私の頭に、また響いた声。 “そなたの名を―――” .