余りにきつく抱きしめるから、言葉を発せない変わりに、背中に手を回し撫でる。
「私は大丈夫よ」
安心させたくて微笑むと、それを見たカインも笑った。
そんなカインの心配がただの気のせいではなかったことを知ったのは、パーティーも終盤になった時―――…
「はぁ…」
もう、何度目かの溜息。
私とカインの16歳のバースデーパーティーには親戚や私の友達、カインの友人が沢山お祝いに来てくれた。
大半は、王子様扱いのカインの取り巻きの女子達だけど……。
その女子からの小さな嫌がらせにうんざりな時間になり、私は今日何度目かの溜息をまた一つ、吐いた。
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