冷たい………




「……ん…」



 体中に広がる痛みと、熱。

 けだるさに目を開けずにいると、額に冷たい何かが触れた。


 ゆっくり目を開くと―――



「気付いたか」


 美しい銀糸の髪が瞳に飛び込んできた。




「……ぁ…」


 声が掠れて出ない。



 その声に、シオンの表情が険しくなる。





「……すまない。君をこんな……」



 悲痛な顔の彼に、霞がかった記憶がゆっくりと思い出された。