* 竜の眠る国 *





「シオン様、その娘は私が」

「いや、いい。私が運ぶ」



 夢の中の私は、シオンの腕の中。


 現実でも、その腕に包まれているのに……。

 私は意識を手放したまま、彼の腕の中でユラユラ揺れていた。








『ユウナは僕が連れていくよ』


「……エルクか。
 彼女は私が連れていく」


『――っ でも、僕の方が早いし!』


「大丈夫だ」


『……大丈夫な訳ないだろ!?

 ユウナの顔色を見ろよ!
 元はといえば誰のせいだと…っ』



 通路を抜け、聖竜に逢った広間に戻った時、エルクの興奮した声が広間いっぱいに響いた。

 そこには、武装した兵士が20ほど集まっていて、その物々しさがエルクの言葉を詰まらせる。