* 竜の眠る国 *












「……出血が思ったより酷いです」


「分かっている」



 私の手を握るシオン。


「……まだか…」



 彼の低い声が、珍しく苛立ちを含ませていた。



「王子、一旦ここを出ましょう。浅い傷とはいえ、出血が止まりません」


 意識を飛ばす私には、すでに二人の会話が耳には入らなかった。



「……分かった。
 ユウナは私が運ぶ。ユリアンは姫を連れてきてくれ」


「承知いたしました」



 ユリアンは巫女姫を縛っている縄を持つと、丁寧に彼女の腕を掴み部下と共に来た道を戻っていった。

 それを見て、シオンも床に横たわる私を抱き上げた。