タキシードのカインは、双子の私から見ても王子様で。
私とは全く違う雰囲気の彼に、少し遠く感じてしまう。
「ユウナ、綺麗だよ」
優しく微笑んだ彼に、ホッとした。
「カインこそ。 本物の王子様みたいだわ」
言いながら、カインの元へ行くと、手首を捕まれ抱き締められた。
「カイン…?」
「ユウナ……なんだか不安なんだ」
抱き締める腕は力を増すばかりで……不思議に思い彼の顔をのぞき見た。
でも、彼はふわり笑うと、
「お願いだから、今日は俺のそばから離れないで。
ずっと傍にいるんだ。いいね?」
言って、ギュッと抱き締めた。
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