視界は暗く、まるで鉛の固まりになってしまったような身体は、一ミリも動かせなくて。
遠くで聞こえる途切れ途切れの声が、生きてることの証になる。
「―――放しなさい!無礼者!!」
気位高いその声に、薄く瞳を開けた。
「どうゆうことです、これは。わたくしは大神官の娘、巫女姫ですよ?
そのわたくしがこの奥神殿には誰も近づかぬよう伝えたはずです。
いくら世継ぎの皇子とはいえ無礼でございましょう!」
両腕を拘束された姫が怯むことなくシオンを睨みつける。その気迫に、何人かの兵は狼狽えた。……が、王子は臆さない。
「―――あなたは間違えた。
私との婚姻で納得するべきだった」
それを聞いた巫女姫は、とうとう唇を震わせた。
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