* 竜の眠る国 *






 視界は暗く、まるで鉛の固まりになってしまったような身体は、一ミリも動かせなくて。

 遠くで聞こえる途切れ途切れの声が、生きてることの証になる。






「―――放しなさい!無礼者!!」



 気位高いその声に、薄く瞳を開けた。



「どうゆうことです、これは。わたくしは大神官の娘、巫女姫ですよ?
 そのわたくしがこの奥神殿には誰も近づかぬよう伝えたはずです。

 いくら世継ぎの皇子とはいえ無礼でございましょう!」



 両腕を拘束された姫が怯むことなくシオンを睨みつける。その気迫に、何人かの兵は狼狽えた。……が、王子は臆さない。



「―――あなたは間違えた。

 私との婚姻で納得するべきだった」



 それを聞いた巫女姫は、とうとう唇を震わせた。