* 竜の眠る国 *





 ―――大丈夫。

 そう言って、安心させたいのに……



 痛みを堪えなんとか口を開こうとするけど、


『動いたらダメ…!』


 そう必死に止めるエルクに、私も起きあがろうとするのを止め、また床に頭を乗せた。


「………っ」

 その振動でさえもビリビリと痛みが走り、あまりの痛みに腹部に恐る恐る触れた。
 すると、ヌルリと指に何かがついた。




 ……刺されたんだ。


 どこか他人事のような、そんな感覚。








「痛いっ!」



 つんざくような叫び声に、気が遠くなる感覚から抜け出た。


 霞む瞳に映るのは、巫女姫の手を拘束し、彼女の細い腕を捻りあげるシオンの姿。

 その表情は影になり、私からは見えない。




「放して下さいませ…!」


 巫女姫の痛みに歪んだ表情。

 同時に、大松の揺らめきが、シオンの色のない顔を浮かび上がらせた。