* 竜の眠る国 *






『―――ユウナ!!』




 エルクの悲鳴と共に駆ける蹄の音。
 全てが重なりやっと、自分の状況に気付いた。



「……っ」


『ユウナ…!』



 泣きそうなエルクの叫びに、体中の痛みに堪えながら、目を開ける。

 瞳に映る彼は涙を浮かべ、必死に私に呼びかけていた。



「大丈夫……だから……泣かな…で…」


 触れようとゆっくり手を伸ばすと、力を入れたせいか、さすような左の腹部の痛みに目を見開き、咄嗟に体を縮ませた。



 何…っ この痛み……



『ユウナ…ッ ユウナ!』


 エルクはその長い顔を私の顔にこすりつけ、ひたすら私の名前を呼ぶ。